茨城県牛久市の弁護士小室光子の記録です
確か2年前のお正月くらいに読み始めた小説を
久しぶりに開いてみた。(いつ読み終わるんだか…)
主人公の刑事裁判が始まるくだりにさしかかった。

裁判官が、被告人に黙秘権の告知をした後に、
「法廷で嘘をつくと偽証罪に問われることがあります。」と。

…いやいや、それはないから。
偽証罪は、「法律により宣誓した証人」が虚偽の供述をしたときに
成立する犯罪(刑法169条)。

裁判を注意深く傍聴しないと気がつかないかもしれないけど、
そもそも被告人は「証人」じゃないし,「宣誓」もしない。
「良心に従い真実を述べ~」という「宣誓」をするのは、「証人」だけ。

だから、あえてざっくり言うと、被告人は、自分が犯した罪について
嘘を言っても「偽証罪」には問われない。
なぜなのか。
ということを突き詰めると、法律以前の話になるから書かないけど。

けど少なくとも、だからって被告人が嘘を言ってもいいと私は思わないし、
弁護人の立場で、嘘だと知った上で弁護することはできないし、しない。
(言いたくないことは言わなくていい。それは被告人の権利。
黙っていることと、積極的に嘘を言うことは、明らかに違う。)
究極的には、そういうことになれば解任してもらうしかない。
(幸いにして、今のところそういう経験はないです。)

なんてことを書いたきっかけになった小説は、
なんかもう、その先を読む気がしなくなってしまった。
職業柄たまたま知っているに過ぎないことだけどね、
「そんなわけないでしょ」って描写に気づくと(テレビドラマや映画もそうだけど)
一気に醒めてしまう。

文学作品的なものに、リアリティーを求めることが無意味だということは
もともと文学部演劇科出身の私はよくわかっているつもりで、
そういう意味では、弁護士という職業に就いて、何かひとつ楽しみを失ったのかも、
などと思ったりもする。
この小説を買ったのも、刑事事件の話だったからではない。
単行本の帯に書かれていた、主人公の生い立ちに興味を持ったからだったのに。


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【2016/01/31 21:08】 | 雑談
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お陰様で,弁護士になってから5回目のお正月を迎えることができました。

このブログももう,始めてから11年近くになり,いろんな立場から,
見て下さる方がいらっしゃいます。
そのみなさんに支えられていると感じます。本当に,ありがとうございます。

相変わらず至らない部分も多いのですが,初心を忘れずに,
感謝の気持ちを忘れずに,今年も頑張ります。
司法修習生だったときに父が亡くなって,もう6年。
人との別れや出会いというのはほんとうに不思議だね。
「縁」というのは。

先日,実家で母と会い(ずっと書いているとおり,母は癌を患っています),
会話している中で,母が「しょーがないよ。一生生きてはいられないから。」
って言ったのね。人は誰でも死ぬんだから,という意味で言ったんだけど。

ちょっと笑っちゃった。「一生」は,誰でも生きていられるもんね。
人一人が生まれてから死ぬまでが「一生」なわけで。
「一生」だけは,誰にでも保障されてる。
だから,今,この時を大切に生きたいと思う。


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【2016/01/04 23:21】 | お仕事
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