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弁護士小室光子の記録です

「試験」というわかりやすい目標が目の前にあるときは,
どうしてもそれに合格することだけに集中してしまうけど,
そもそも私は,弁護士になるために,この試験を受け始めたんだった。

合格して,これからのことを考えるとき思うことは,
やっぱり私は,弱い立場に立たされている人に寄り添い,
「大丈夫ですよ」という気持ちでそっと背中を押してあげられるような,
敷居の低い弁護士になろうということ。

私が弁護士になろうと思ったのには,自分の離婚体験が原点にある。

もう離婚する以外にどうしようもない,という状況になったとき,
法律なんて一生,自分には関係のない世界だと思っていた私でも,
「こういうときは弁護士に相談すればいいんだろうな」とは思った。

けど,敷居が高すぎて,とてもじゃないけど無理だった。
区役所で無料相談ってのがあるのは知っていたけど,
なんかコワイ感じがして,とても相談に行こうとは思えなかった。

それでも,それこそ明日の飯にさえ困って,どうしようもなくなり,
勇気を振り絞って区役所の福祉の窓口に行ってみた。
図書館で色々調べて,「児童扶養手当」の存在を知ったから。

窓口の女性職員の対応は,すごく冷たかった。
申請さえ,させてもらえず,追い帰されそうになったの。

そのとき,1歳の息子を抱っこしていた私は,あろうことか
その場で泣いてしまった。
感動した場合とかでも,人前では泣かないポリシーの私が(笑)

はらはらと涙がこぼれ落ち,ぐずって泣いていた息子を抱きしめて嗚咽。
あのときの気持ちは,今でも鮮明に思い出すことができるし,
思い出すと泣ける(一人でいるときは割とよく泣くの^^;)。
「みじめ」という表現が,すごくぴったりくるような,そんな気持ちだった。

もっとも,弁護士になろうと思ったのは,それから3年以上たって,
ようやく生活が立て直されてきた頃の話。
弁護士になろうと思ってから,合格するまで10年以上が過ぎている。

私はアテにできる実家もないし,(いや,あるけど,書いてきたとおり,
逆に介護や病院の付添いをアテにされる立場だった)文字通りの
息子と二人暮らしで,正直,何度もやめようと思った。

その度に,あの,区役所の窓口で泣いた自分を思い出していた。

あのときの自分を救えるのは自分しかいないような気がした。
今も,あのときの自分と同じような思いをしている人が,きっといる。
そういう人の力になりたい。そうすることで,あのときの自分も救われる。

そうだった。私は,そういう思いで勉強してきたんだった。
そのことを,今改めて確認しておかなければならないと思った。

社会的に弱い立場にあるときの気持ちを,私は忘れない。
救済されるべき権利があるにもかかわらず,それを知る機会すらなく,
声も上げられず,ひたすら耐えている人がいることも,常に意識したい。

そして,そういう人たちが,少しでも前向きに生きる気力を取り戻せるよう,
ほんのちょっとだけでもお手伝いできるような,そういう弁護士になる。


長くなってしまったけど,読んで下さった方,ありがとうございます。
私がヘンな方向に走りそうになったときには,
こんなこと言ってたでしょ!!と叱って下さい(笑)
2009.09.21 / Top↑
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