FC2ブログ

弁護士小室光子の記録です

今年の民訴の問題を、書き直してみた。

今、平静な状態で、時間無制限で書けないものは、
来年の本試験においても書けるはずはない。

本試験当日でも、このくらいなら書けるはずで、
合格基準は満たしているはずだ、というのを意識して、
書いてみた。

何でもいいです。ご意見いただけたら嬉しいです。
民訴 平成17-1
1、控訴審とは、第一審判決に不服のある当事者が
 再度の審理、判断を求める申し立てである(281条以下)。
  現行法は、控訴審においても第一審の訴訟行為が
 効力を有するものとし(298条1項)、不服申し立ての限度に
 おいてのみ審理する(296条1項、301条)という続審制を
 採っている。
  即ち、第一審と控訴審とは、事実新として一体の関係に
 ある。
2(1)ア、そうだとすれば、攻撃防御方法の提出についても、
   控訴審において自由に提出できるとも思える。
    しかし、そうすると、不意打ち的に攻撃防御方法を
   提出することで、徒らに訴訟を引き延ばすこととなっ
   たり、第一審が軽視されることにもなりかねない。
    そこで、このような弊害を避け、審理の迅速、充実を
   図るという考え方を背景として、適時提出主義(297条、
   156条)という規律を定めている。
  イ、即ち、攻撃防御方法は、「訴訟の進行状況に応じ
   適切な時期に」提出しなければならない。
    ここに「適切な時期に」とは、以前に提出すべき
   時期があり、それが可能であったことをいう。控訴審に
   おいては、続審制の帰結として、第一審の手続き経過
   をも含めて判断することになる。
  ウ、そして、当事者が故意又は重大な過失により、時機に
   遅れて提出した攻撃防御方法は、裁判所がこれにより
   訴訟の完結を遅延させることとなると認めたときは、
   却下され得る(157条1項)。
    これは、制裁を置くことで、前期の審理の迅速、充実
   という考え方を全うするための規律である。
 (2)ア、また、第一審で準備的口頭弁論(164条)又は弁論準備
   手続き(168条)をおえた当事者が、控訴審で攻撃防御 
   方法を提出した場合、相手方の求めがあれば、提出が
   遅れた理由を説明しなければならないという規律がある
   (298条2項前段、167条)。
    第一審で、書面による準備手続きを終結した事件に
   ついても同様である(298条2項後段、178条)。
   イ、これらの規律の背後にある考え方は、第一審での
   争点整理手続きの実効性を高め、訴訟経済(2条)を図る
   という考え方である。
(3)ア、更に控訴審においては、裁判長は当事者の意見を
   聴いて、攻撃防御方法の提出期間を定めることができる
   という規律がある(301条1項)。そして、期間内に
   提出することができなかった場合には、その理由を
   裁判所に対して説明しなければならない(301条2項)。
  イ、この規律の背後にある考え方は、期間制限を設ける
   ことで審理を迅速に進め、訴訟経済を図るという考え方
   である。
                          以上
(手書き51行)

民訴平成17-2
1、小問1について
(1)ア、甲は前訴において、A土地の所有権に基づく
  土地明け渡し請求の認容判決を得ており、これには
  既判力(114条1項)が生じている。
 イ、ここに既判力とは、確定判決の後訴における通用力
  ないし拘束力をいう。そして、既判力は、原則として
  判決「主文に包含するものに限り」生じる。
   なぜなら、紛争解決にはそれで十分であるし、
  審理の弾力化も図れるからである。
   また、当事者は口頭弁論終結時までは、訴訟資料を
  提出できるので、既判力はこの時点の判断について
  生じる(時的限界)。
   さらに、当事者の手続き保障の見地から、既判力は
  原則として、当事者に対してのみ効力を有する(115条
  1項1号)。
(2)ア、では、本問において後訴の審理判断の対象となる
  事項は何か。本問後訴の訴訟物は前訴の訴訟物と
  同一であるところ、訴えの利益が認められないのでは
  ないかがまず問題となる。
 イ、この点、甲は前訴認容判決を債務名義として強制執行を
  することができるから(民事執行法22条1号)、後訴は
  訴えの利益を欠き不適法却下となるのが原則である。
   もっとも、時効中断のために他に手段がない場合や、
  判決原本を紛失し、強制執行ができない場合等、
  例外的に訴えの利益が認められる場合があるので、
  裁判所はこの点を審理すべきである。
 ウ、したがって、後訴において審理判断の対象となる事項は、
  例外的に訴えの利益が認められる事由の有無である。
2、小問2について
(1) 本問の訴訟物は、乙の所有権に基づくA土地明け渡し請求
  であり、これが審理判断の対象となるとも思える。
   しかし、本問訴訟物はA土地に関して、実体法上の
  一物一件主義を介して、前訴訴訟物と矛盾関係にある。
   したがって、前訴基準時より前に主張しえた事実に
  ついては、後訴で争うことはできない(遮断効)。
   なぜなら、これを認めると、紛争の不当な蒸し返しに
  なるからである。
(2) もっとも、基準時後に乙が甲から買い受けた等、
  新たに事実の変動があれば、後訴で争うことは可能である。
   そこで、後訴において審理判断の対象となるのは、
  このような基準時後の新たな事実である。
3、小問3について
(1) 本問において、前訴棄却判決の既判力は、甲乙間にのみ
  生じるのが原則である(民事訴訟法115条1項1号)。・
   もっとも、丙は乙からA土地の占有を譲り受けている
  から、「口頭弁論終結後の承継人」(115条1項3号)に
  あたれば、例外的に既判力が拡張されることになる。
   そこで、「承継人」の意義が問題となる。
(2) 思うに、同号が既判力の及ぶ範囲を拡張した趣旨は、
  被承継人において代替的手続き保障が及んでいることを
  許容性として、紛争の実効的解決を図る点にある。
   そうだとすれば「承継人」とは、当事者適格を伝来的に
  取得した者をいうと解する。
(3) 本問の丙は、A土地を占有していた乙から占有を
  譲り受けているから、当事者適格を伝来的に取得したと
  いえ「承継人」にあたる。
   よって丙にも既判力が拡張される(115条1項3号)。
(4) したがって、後訴において審理判断の対象となるのは、
  小問2同様、基準時後に甲が所有権を取得した等の
  事実である。
                         以上
(手書き69行)
2005.11.16 / Top↑
Secret

TrackBackURL
→http://micko.blog29.fc2.com/tb.php/14-edd9fd47