茨城県牛久市の弁護士小室光子の記録です

泣き寝入り

泣いているうちに,寝入ってしまうこと。
幼かったころの私には,この意味での「泣き寝入り」の記憶が
ものすごーくたくさん,鮮明に残っている。
押入れに閉じ込められて,泣き疲れて,いつのまにか眠っていた記憶。

泣き寝入りは,つらい。全く納得できないのに,諦めるということだから。
とりあえず,泣いて泣いて,泣き疲れて寝て,自分をごまかすわけだから。


弁護士として相談を受けていると,結局,結論としては,
いわゆる「泣き寝入り」するしかない,つまり
全く理不尽で納得いかないけど,諦めるよりほかどうしようもない,
あるいは,諦めたほうが(費用対効果を考えると)まし,という場合がある。

たとえば,お金の問題ではなく,白黒はっきりさせたいという場合
(イメージしやすいところで言えば,
それほど損害は大きくない交通事故の過失割合とか)。
弁護士に依頼すると,むしろ相手から回収できるお金よりも,
弁護士費用のほうが高くつく場合がある。
じゃあ自分で裁判するかといえば,そこまでの時間的余裕はないとしたら。

それで,せっかく相談に来ていただいたのに,
結論としては「泣き寝入りしかないですね」と言うに等しい場合がある。
「泣き寝入りしかないんですかねえ」と問われて「そうですね」とは
言えないし,言いたくない。だって,泣き寝入りなんかしたくないから。

ちなみに,「泣き寝入り」ではなく,合理的に考えて,
それはそもそも無理な主張なんですよ,という場合もあって,
そういうときは,もちろん言葉には気をつけるけれども,率直に,
法的にはこうなっていて,こういう理由で,そういう主張は全く通りません,
ということをお伝えすることにしている。
無理なものは無理なので,そこはきちんとお伝えする。

でも,明らかに理不尽で,
時間もお金も周囲の協力体制も盤石だったら闘うべきなのに!!というときに,
闘うべきだと思いますが,これだけの時間やお金や精神的な負担がかかります,
それを思うと,やめておいたほうが(諦めたほうが)いいかもしれません,
という内容をお伝えすることがあって,それは本当に,つらい。
いつもながら,無力を感じる瞬間。

一通りお話しを伺い,こちらからもお話しさせて頂いて,少しの沈黙があった後,
「でも,話聞いてもらって,ちょっと楽になった」などと言って頂くことがあり,
それは私には過分なお言葉で,本当にうれしく思う。
と同時に,お力になれなくて,本当に申し訳なく,情けなく思う。
「正直者がばかを見る」ことが,少しでもなくなるといいな。
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