行政法の勉強をしていて思い出すこと
2008/01/21(Mon)
ローに入学する前,「女性福祉資金」というのを借りた。
(当時も,借りたってことは書いたけど)
今,行政法の勉強をしていると,このときのことをよく思い出すんだ。

最初,窓口に行ったとき,
「大学院は大学ではないので,対象外です」
という理由で,申請書さえもらえなかったの。いわゆる門前払い。
(母子家庭の母親が,「大学」に通う場合は要件に該当する)

実は,10年ほど前にも似たような体験があり,当時は全く
法律とは縁のない世界で生きていたから,泣き寝入りしたのね。
でも,今回はちょっとは闘う覚悟で,区の条例まで調べて,
プリントアウトして持って行ったりもして。

だって,これを借りられなかったら,ローに通えないかもしれなかったし。
入学後は,奨学金を借りられるとしても,入学手続に払うお金がなかった。
(いや,いざとなれば,カードローンでもサラ金でも借りただろうけど・・・)

でも,窓口で対応してくれた職員は,私が何を主張しても
「大学院は大学ではないです」の一点張り・・・・。

はあっっ・・・要するにこの人,この制度を理解してないし,
条例も読んだことないんだわ・・・と絶望。もうこれ以上,ここで
何を言っても無理だと悟り,20分くらい粘った後にとりあえず帰った。


でも,ここで諦めたら,あの頃の私と同じことになる。

思い切って,区長宛に直メールを書いた(そういうシステムがあるの)。
窓口の方の対応に失望しました,ってことも書いたし,
この制度の根拠法から,学校教育基本法,条例,施行規則まで持ち出して,
自分が要件に該当していること,仮に形式的には該当していないとしても
法や条例の趣旨からは,私に金を貸すべきだ(笑)と必死に訴えたよ。

そしたら,数日後,福祉課のエライ人から,電話がかかってきた。
窓口対応のお詫びに始まり,もう1度話したいので,来て下さいと。

それで,行ってみたら,今度の方は私の話をちゃんと聞いてくれて,
もちろん,母子家庭の母親が法科大学院に行くからそのための学資を
貸して欲しいというケースは前例がなかったのだけれど,
「これからは(専門職大学院も増えたし)あなたのような方も
増えるかもしれませんね,制度の運用を考えてみます」
というようなことを言ってくれて,応援までしてくれた。

今にして思うことは,申請をした後であれば,行政法上も争う手段はある,
けど,申請書すらもらえなかった場合(生活保護のケースがたまにニュースになるけど)
多くの市民は,泣き寝入りするしかないという現実。

私の今回の場合は,たぶん,私の進学先が「法科大学院」であることも
プラスに作用したのだろうと思う。それこそ訴えかねないからね(笑)
私はこうして,声を上げることができる市民になった(ちょっとだけは)。

でも,そうでない人のほうが,圧倒的に多いのだろうと思う。
そういう人たちのこと,そういうときの気持ちを,私は忘れないでいたい。

・・・あとね,これは後日談だけれど。
「大学院は大学ではないですから」の一点張りだった職員は,
その後,(まだ定年という年齢ではなかったように思うけれど)
退職したとのこと。私がクレーム書いた数ヶ月後だっただけに
(名前までは覚えてなかったから書かなかったけど,容易に特定されたと思う)
後味が悪い・・・・。あの人にもご家族があるのだろうし,とかね・・・。

それから,答案を書くときも,あのメールを書いたときの必死さで
個別の法律等の趣旨とかを考えればいいんだな,とか思ったり(笑)。
行政訴訟って要するに,(素朴には)あのときの私みたいなことなんだなって。


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コメント
- 規則ですから -
いつも楽しくブログを拝見させていただいております。

今回のブログを読んでいて、タイトルのような「規則ですから」を理由に門前払いするケースが頭をよぎりました。

確かに窓口レベルの人が広汎な裁量権を持っていることは極めて稀ですのでこの対応はその人にとっては普通であり限界であったともいえますが、規則そのものが間違っていることもありうるということを「規則ですから」を盾に拒否する人々にわかって欲しいと考えてしまいました。

(どうも法律を勉強していると一文が長くなってしまいます)
2008/01/21 22:30  | URL | 残念無念 #pYrWfDco[ 編集] ▲ top
- No title -
残念無念さん,コメントありがとうございます。
そうですね・・・窓口対応をしていると,きっと,
機械的な対応にならざるをえない部分もあるのだと思います。
そのルーティンワークの中では,
もしかして根本的に,この規則が間違ってるのでは?などと
疑うことすらできなくなってしまうのでしょうね・・・。
(私はOLの経験もありますから,そういう気持ちも理解できなくはないですが,
それが他者の人権に関わるようなことだったとしたら,本当にコワイことですよね・・・)
2008/01/21 22:48  | URL | mico #-[ 編集] ▲ top
- No title -
窓口の係の人はそもそも行政手続法を知らないことが多いと聞いた事があります。役所は先例に縛られますから、一概に担当者を責めるのは厳しいかもしれませんが、その区長の対応は立派だと思います。

日本の役所もまだまだ捨てたもんじゃないかもしれませんね。
2008/01/21 23:44  | URL | こうちゃん #-[ 編集] ▲ top
- No title -
micoさんのロー生活は、そうやって勝ち取って来たんだよなー。
今勉強できるって、ありがたいことですよね。

私も仕事で思い出すことはいっぱいあるけど、
そんな立派な話じゃありやせん(苦笑)。
窓口は、市民以上に業者にキビしいのさ。
2008/01/22 00:37  | URL | mame #B7IDXB7Q[ 編集] ▲ top
- No title -
こうちゃん,そうなのですか・・・。
(法律を知らなければ,まして条例なんて知るわけないか)
区長宛メール,ちゃんと読んでもらえて,
対応してもらえたことは,本当に嬉しかったです。
その後,在学証明を持って行ったときなどにも,
励ましてくれる職員もいました。


mameさん,ほんと,今フツウに勉強できること自体,
すごく感謝すべきことなんだっていつも思ってるよ。
(その割に・・・とか言っちゃダメ)
そうか,mameさんは業者の立場で闘って?きたんだよね。
なるほど,個人に対するより,厳しそう・・・。
2008/01/22 14:59  | URL | mico #-[ 編集] ▲ top
- 確かにそう対応する人が多いです -
 役所では、そもそも、法律の条文など読んでも居なくて、仕事をしている人は多いはずです。

 国の偉いお役人様が、分厚い何とかの手引きとか、問答集とかを皆に配布して、それを見て仕事をして居ます。
 条文の趣旨など考えて居る人など皆無でしょう。

 そうなると、前例が絶対的な意味を持つのです。
 
 だから、企業に比べて、自治体での弁護士を採用しようとの意志が無いのです。
 いや、必要無いのです。

 誠に心細い現状です。

 地方自治とは名ばかりです。
 トホホ・・・
2008/01/22 23:43  | URL | DAKARA #ejL58bjI[ 編集] ▲ top
- No title -
DAKARAさん,なるほど・・・。
役所で前例がいかに絶対的な意味を持つか,よくわかりました。
前例に従ってやっていれば,とりあえず内部からは怒られないでしょうし,
仕事もラクになりますしね・・・。
本当の「地方自治」が機能するよう,DAKARAさんに期待します!
2008/01/23 21:11  | URL | mico #-[ 編集] ▲ top
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