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弁護士小室光子の記録です

唐突に答案など。(優しい)酷評求む。

1.小問一について
(1) Yは確定判決の効力を争うことができるか。判決が
   確定すると、後訴への通用力ないし拘束力である既判
   力(114条1項)が生じ、当事者は最早争うことは
   できないのが原則である。
    その根拠は、十分な手続き保障が及んでいたことに
   基づく自己責任と、紛争の不当な蒸し返しの防止にあ
   る。
(2) もっとも、民事訴訟が扱う私法上の権利・義務は、
   時につれて変動するものであるから、いつの時点の権
   利関係を確定するものなのか、既判力の基準時が問題
   となる。
    思うに、既判力を認める根拠の1つは、前述の通り
   手続き保障にあるところ、当事者は口頭弁論終結時ま
   では、自由に攻撃防御方法を提出できるという手続保
   障が及んでいる。
    よって、既判力の基準時は口頭弁論終結時であると
   解する。
    したがって当事者は、口頭弁論終結時より前に主張
   することが可能であった事由を主張して確定判決の効
   力を争うことは、原則としてできない(遮断効)。
(3) これを本問についてみると、売買契約がXにだまされ
   て締結したものであり、取り消しの意思表示をした
   (民法96条1項)との事由は、Xの請求権自体に付着
   した瑕疵であり、口頭弁論終結時より前に主張するこ
   とが可能であった。
    そして、取消しの意思表示の場合、例外的に遮断効
   を否定すべき事情もない。
    よって本問においては、Yは原則通り、確定判決の効
   力を争うことはできない。
2.小問二について
(1) Yは口頭弁論終結前より相殺適状にあった金銭債権を
   もって相殺するとの事由を主張して、確定判決の効力
   を争うことができるか。
(2) 確かに、この債権による相殺は、基準時より前に相
   殺適状(民法505条1項)にあった以上、主張が可
   能であり、遮断効が生じるとも思える。
    しかし、相殺は自己の債権を請求債権と対等額で消
   滅させるという出捐を伴い、実質的な敗訴を意味する。
    したがって、基準時前の主張が期待できないもので
   あり、後訴で主張しても紛争の不当な蒸し返しとはな
   らない。
    よって小問一の場合と異なり、相殺の主張の場合、
   例外的に遮断効が否定され、後訴で主張することがで
   きると解する。
(3) 以上により、Yは本問の場合、確定判決の効力を争う
   ことができる。
3.小問三について
(1) Yは建物買取請求権(借地借家法13条1項)を行使
   し、確定判決の効力を争うことができるか。
(2) 確かに、建物買取請求権は基準時より前に存在して
   いた以上、主張が可能であり、遮断効が生じるとも思
   える。
    しかし、建物買取請求権を行使することは、借地契
   約の終了を自認し、土地の明渡し請求を受け入れると
   いうことであり、実質敗訴を意味する。
    したがって、小問二の場合と同様に、基準時前の主
   張が期待できず、例外的に遮断効が否定されると解す
   る。
    よってYは、後訴で建物買取請求権を行使することが
   できる。
(3) 以上により、Yは確定判決の効力を争うことができる。
                         以上


ちなみに問題自体は見たことがあるけれど、書いたのは初めて。
全部で64行(約3ページ)、1時間ちょうどくらい。
資料参照なし。(今日のゼミの課題だったから書いたもの)

今ここに書き写していて、ああ・・・・・って思う点が
いくつもあるんだけど、あえて本試験と同じ条件で
(初見じゃないから、全然違うけど・・・)書いたものを
アップしました。
  
今の時期、民訴は遠くに位置している人が多いと思うけど、
復習がてら、突っ込みをいただけると嬉しいです。
2006.02.03 / Top↑
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